WEB上では手間がかからなくておすすめといわれているクラピアですが、実際はどうなのでしょうか。
土壌改良からグランドカバーになるまで管理した経験をもとにして、本当におすすめできるのか、どんな人にはおすすめできないのかをまとめます。
クラピアを選んだ理由
そもそもなぜクラピアにしたのか、についてです。
これは、大前提で私(=夫)がDIYやメンテナンスが好きな性格であることが大きな要因です。木工や車いじり、おもちゃの修理など、何かに手を掛けていることが苦ではありません。
それに加えて、地元で家を建てたので友達がよく遊びにきてBBQをします。その際、人工芝だと炭を落としたり爆ぜたりすると溶けて穴が開いてしまうので、BBQができません。
また、いくら人工芝でも結局は樹脂の為、真夏には熱くなるのではないかという懸念がありました。
そのため、クラピアでも芝でもいいからメンテナンスできるもの、つまり植物でグランドカバーをしたかったことが理由です。
そこでクラピアと芝を比較して、メンテナンスが楽な点や、防草効果が高い点をメリットと感じたのでクラピアに決めました。
以降の内容のイメージが付きやすいように、画像を貼っておきます。これは5月中旬の花の咲き始め頃です。

維持・管理のしやすさ
販売サイトでは芝よりメンテナンス頻度が少ないことで、管理がしやすいとの宣伝が個人的に刺さりました。小さな子どもがいるのでメンテナンスばかりに時間を掛けられません。
芝ほど手間がかからないことと、周りでクラピアをやっている人が居なかったこともクラピアに決めた要因です。また周囲の影響も考え、種がないのは大前提でした。
なぜK7にしたのか
クラピアには品種が3種類あります。簡単に紹介すると、K7は花の数が一番少なく、白い花が咲きます。子どもが庭で遊ぶため、なるべくハチが出ないようにK7を選びました。
クラピアK7の植え付け
実際とは少々異なるのですが、分かりやすいように図にしてみました。

我が家の庭はおよそ57㎡あります。公式では1㎡あたり4ポットを推奨しているため、単純計算で228ポット必要です。1ポット550円なので12万5,400円…。(記載単価は当時のものです)
コストを抑えるために
推奨の通りでは2~3か月で絨毯になるのですが、とても買えないので、必要最小限で計画を立てました。お金を掛けず、時間を掛けることでコスト大削減を狙います。
クラピアの成長は著しく早いので、その特性を生かします。
まず、庭の端にあたる部分はいつか埋まれば良いという考えで植えないことにしました。実際にデッキを置いたりする予定でしたので、クラピアが無くても問題ありません。

この時点で40ポットまで減りました。金額にして2万2,000円。このまま決定でもよかったのですが、ここまでケチったらどんなにケチっても管理の手間は同じだと考えました。
そこで1マス(1㎡)につき1ポットから、1/2ポットでさらにコストカットを試みました。つまり、ポットを半分に割いてから植えることになります。

これで合計40から20ポットになり、合計1万1,000円です。推奨の228ポットから20ポットになったので1/11の量で育てることに決定です。
…この時にはまだ、とんでもない苦労が待っていることを私は知る由もありませんでした。
粘土質の庭を土壌改良
作業としてはまず、ガッチガチの粘土質を改良する必要があります。クラピアの絨毯を作る上で間違いなくこれが一番大変でした。

外構工事の際に芝かクラピアを植える予定だと伝えておいたので、知り合いの業者がサービスで山砂を敷いてくれていました。
今思えばここまでやらなくても良かったのですが、なるべく深く根を張ってくれるように山砂の層+ガチガチ粘土の層を、合計20cmくらい掘り起こし、粘土を砕いて混ぜました。
土の乾き具合で分かるように、数日間かけて掘り起こしては均し、掘り起こしては均しを繰り返しました。
育休中だったのでほぼ一日中作業してたのですが、「畑にするの?」とか色々声を掛けられました。なんでも粘土過ぎて作物には向かない土がゆえに、ずっと使っていない畑だったのです。
クラピアの植え付け
さて、土壌改良が終わったら早速植え付けです。
先ほどの図のこのパターンで、1マスごとに1/2ずつクラピアを植えていきます。

実際の写真も併せてご覧ください。庭に棒で線を引いて40か所のマスを作ります。

植える場所には培養土を入れて緩効性肥料を撒きました。時期は3月中旬です。
培養土はホームセンターで適用なプランター用の土を購入し、肥料はマグファンプKを使用しました。クラピア用の物も売っているようですが、特にこれで問題ありませんでした。

図にするとこんな感じです。
肥料は目分量でパラパラとふたつまみくらい入れて混ぜて、培養土はちょうど2袋分使い切りました。
植え付け部分では確実に根を張ってもらい、あとは時間を掛けて庭全体に広げる作戦です。
管理・メンテナンス
植え付けが終わり、あとはひたすら雑草を抜いたり、水をあげたり管理をします。
まずは、植え付けから1か月間は朝夕の2回、水やりを欠かさずしました。

そして、これは植え付けから3か月経過した6月の梅雨前です。はたしてどれがクラピアなのか、完全に雑草と共存…、というより埋もれています。
このときは正直失敗したかもと思いました。雑草を育てているのか、クラピアを育てているのか。クラピアの中からも雑草が生えてきます。
ですが泣いてはいられませんので、可能な限り除草します。

まずは、窓ホーという除草アイテムでクラピアの隙間に生えている雑草を除きます。
そして、クラピアに紛れている雑草は一本ずつ抜くわけにもいかないので、トリマーで背丈をクラピアに合わせました。
私はブラックアンドデッカーの電動工具を使っているので、これで使えるものを購入しました。
トリマーはなんでもいいと思いますが、芝刈り機よりも使用する頻度が高いです。そのため、ちゃんとしたメーカーのコードレスにしましょう。
もし私が次に選ぶとしたらマキタの製品を選びます。18Vシリーズは電動工具が豊富ですし、バッテリーの共有はかなり便利です。
掃除機やブロワー、電動ドリルなど日常的に使える工具が多いので、特に理由がない方はこれがベストです。
経過観察
育ってくると枯れる心配も無くなりますので、あとはひたすら草取りのみです。クラピアが埋もれないようにケチった分頑張ります。
背の高い雑草や葉の大きい雑草は、クラピアに影を落とすので注意して取り除きます。

良い写真がありませんでしたが、植え付けから5か月経過した8月です。セオリー通り1㎡に4ポット植え付けるとこの時期にはほぼ覆っているはずです。
しかし、我が家はまだ隙間だらけです。このまま暖かいうちに広がり、密になってくれるのでしょうか。草取りは続きます。
さて、いきなりですが翌年の5月です。植え付けから1年2か月たちました。こう見るとほぼ覆いつくしたのではないでしょうか。

別角度の寄りでもう一枚ご覧ください。

よく見ると雑草は結構混ざっています。しかし、2年目の春にして絨毯といえるくらい広がったのではないでしょうか。
もうすでに絨毯ですが、1年後の5月もご覧ください。毎年相変わらず雑草が生えてきますが、その種類はさまざまで、その年によって違うものが生えてきます。

これは一番最初に載せた写真ですが、雑草が伸びてきた頃に取るくらいのメンテナンスで済んでいます。

しかし、雑草の中でもとくに厄介なのがクローバーです。クラピアに混ざりこんで絡まりながらどんどん増えていきます。
コツコツと取っても地下茎で増えるのでキリがありません。このクローバーは前年から悩まされていて、クラピアと共存しています。

アップにしてみると、絡み合っているのがよくわかると思います。冬の間に掘り起こして地下茎を取りつくしたつもりでしたが繁殖力には敵いませんでした。
このような地下茎で増える雑草は注意が必要です。
刈り込み
クラピアはどんどん広がるので刈り込みが必要です。
雨水マスや防草シート、コンクリートさえも気付いたら飲み込まれています。

ここでもトリマーが役に立ちます。一番使うというのは、飛び出してきたクラピアを定期的に刈り込むことで、美観が保たれてメンテナンスモチベーションが上がります。
そのため、長く使えるちゃんとしたものを購入するのが大切です。


インターロッキングですが、隙間のわずかな砂にさえ根を張る生命力です。これを知っていると、植え付けのときに掘り起こさなくても良かったかもという感想になります。

ザバーン240というそこそこ高級な防草シートの上でも、何も問題なく繁殖しています。これは持ち上げると文字通りペロンとめくれます。

さて、とりあえずアプローチに飛び出している部分を刈りました。
フチが綺麗になるととても整っているように見えるので、これだけでも結構メンテナンスしてる感は出ます。この後は手動の芝刈り機でひたすら刈り込みます。

分かりやすく真ん中を刈ってみました。これで花をすべて刈り取っていきます。また、右側に見える緑のもっこりしているのはクローバーで、これも丸ごと刈り上げます。
使っている芝刈り機はとりあえず買った安いものですが、3年目になっても使えています。
しかし正直、草刈り機はいいものをお勧めします。
まさに買ったこの芝刈り機で起きている事ですが、動き出しが少し悪く、最初は体で押すように芝刈り機を動かします。すると、持ち手の根本が押す力に負けてだんだん歪んできます。
これは切れ味が悪くなってきても起こる現象なので、長い目で見るとキンボシのようなメーカー品がいいです。とくに刃のメンテナンスができるのが大切で、金額以上に使いやすさの差があると思います。
もし使わなくなって売るとしてもリセールが期待できるので、私が今から買うならキンボシ一択です。
クラピアのメリット・デメリット
クラピアの花が咲く時期は、クラピアに入らないように配達員の方などが気を遣って避けています。本当は容赦なく踏みつぶしてくれるといいのですが、花が一面に咲くとどうやら入りにくいようです。
さて、メリットデメリットは何があるのでしょうか。
メリット
BBQしても問題ないですし、ペグも打てるのでテントやタープも張れます。踏まれることで密になる特性があるので、ペットや子どもが庭で遊ぶたびに、より密になって綺麗な絨毯になります。
また裸足でも歩けるので、人工芝にはない天然の涼しさとアーシングができます。さらに、メンテナンスの度合いによっては、人工芝よりもキレイな庭になるポテンシャルもあります。
デメリット
だんご虫やアリなどは出るので苦手な方はやめましょう。また、春には花が咲くのでミツバチ・蝶がきます。K7は花が少ない方ではありますが、画像からでも分かるように実際に付く花は多いです。
あまり出ない庭なら問題ないですが、そうでない場合は定期的な刈り込みが必要です。
また、植え付け後は1か月毎日、朝夕の水やりの手間があります。メーカー推奨通りの植え付け方法なら3か月で地面を覆ってくれますが、その間の草取りも必要です。
まとめ
絨毯になってからのメンテナンスは、月に1回程度の刈り込みだけなので大変ではありません。
ただし、だんご虫は確かに出てきますし、めったにありませんが掘り起こせばミミズもいます。個人的にはこの虫が大丈夫かという点が、人工芝にするかそれ以外にするかの判断材料だと思います。
歩いて足に伝わる地面の感じも、コンクリートとは違う柔らかさを感じますので、庭で遊ぶペットや子どもにも向いています。
そしてなにより、刈り込み後にきれいな庭が見られるのもクラピアの醍醐味です。
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